ルートマップ
- 1.高岡御車山会館
- ⇩ 徒歩約7分 約600m
- 2.大寺幸八郎商店
- ⇩ 徒歩約1分 約60m
- 3.鋳物工房利三郎
- ⇩ 徒歩約1分 約90m
- 4.四津川製作所
TOP > 加賀前田家ゆかりの地・高岡
約400年前、荒れ地だった富山県高岡市に城を築いた、加賀(現在の石川県・富山県の一部)前田家二代当主・前田利長。
利長が高岡の産業振興のために鋳物師を招いて住まわせた金屋町と、利長公に由来する行事・高岡御車山祭の舞台となる山町筋は、
高岡の職人文化と町衆文化を今に伝える歴史ある通りです。
美しい2つの町をそぞろ歩きながら、高岡の伝統文化に触れてください。
400年の歴史と卓越した工芸技術を紹介
趣ある建物で、洗練された銅製品にであう
最古の技法を受け継ぐ工房
2ブランドを手がける老舗銅器製造元
「高岡御車山(たかおかみくるまやま)」は、1588年、天下人・豊臣秀吉が天皇と上皇を迎えるときに使用した御所車という乗り物を、加賀藩祖前田利家が拝領。1609年、高岡開町の祖・二代前田利長が高岡城を築くにあたり、町民に与えたのが始まりとされています。
この御所車に山型の飾り・鉾を立てたものが「御車山」です。毎年5月1日、高岡關野神社の春季例大祭では、金細工、漆塗り、彫刻、染色といった高岡の優れた工芸技術の装飾が施された華やかな御車山が市街地を巡行し、大変にぎわいます。
2016年には「高岡御車山祭の御車山行事」が、全国「山・鉾・屋台行事」のひとつとしてユネスコ無形文化遺産に登録されました。
土蔵づくり家屋を模した「高岡御車山会館」では、実際に祭礼で使われる7基の御車山のうち1基を交代で展示。さらに、祭礼の歴史や文化、御車山の部材及び漆工・金工・染織といった工芸の技術を、使用された品々を交えて紹介しています。
また、御車山囃子の演奏や、からくり人形を動かす体験展示、高岡の工芸品を使った器と地元産の食材を使った料理が味わえるカフェも併設しており、高岡のまちと祭に触れることができます。
1609年から続く鋳物のまち、金屋町。製造元の多くは郊外に移転しましたが、石畳の通り沿いに千本格子のかつての商家が軒を連ねる様子が、にぎわった当時の雰囲気を今に伝えています。
この通り沿いにある「大寺幸八郎商店」は、1860年に創業した老舗。瓶掛火鉢など生活必需品の鋳造からはじまり、のちには家業を拡大して問屋業にも着手しました。現在は製造卸問屋のかたわら、築200年の風格ある母屋を開放しカフェ&ギャラリーを運営しています。
趣ある店内には、高岡伝統の鋳物技術と若いデザイナーの感性が融合した動物のモチーフの置物や、花器、アクセサリーなど、重厚感と気品を備えた作品が並び、畳敷きの和室にテーブルとイスを配したカフェスペースでは、抹茶などを飲みながらくつろげます。
体験メニューもあり、オリジナルの錫アクセサリーや、鋳物レリーフがつくれるほか、抹茶体験も可能です。
19世紀半ば頃、初代利三郎が手あぶり火鉢や瓶掛火鉢などを手がける工房として、金屋町の一角で創業した「鋳物工房利三郎」。初代から現在に至るまで、高岡の鋳物で最も古くから行われている「双型鋳造法」を継承しています。
「双型鋳造法」は火鉢や茶釜などに用いられる技法で、完成品の断面を半分にした鉄板で外型をつくり、その中にひとまわり小さい型を入れ、2つの型の間に溶かした銅を流し込んで成型するもの。この技法を用いた風炉や茶道具、花瓶、ワインクーラー、ドアのハンドルなどを製造・展示・販売しています。
「鋳物工房利三郎」では、伝統的な「双型鋳造法」による製作工程の工房見学を行っています。砂でつくられた型に1300℃にもなる溶けた銅を流し込む様子や、削りなどの仕上げ作業まで、職人の技を間近に見ることができます。
また、風鈴、ペーパーウェイト、箸置き、マグネットの鋳物体験もあり、職人の指導で錫を溶かし、型に流し込んでオリジナルの図柄の作品づくりが楽しめます。
「四津川製作所」は1946年、花瓶を鋳造する鋳物工場として金屋町で創業しました。時代に合わせてさまざまな製品を手がけるなかで、精密鋳造の技術を用いた銅製の香炉が高い評価を得たことをきっかけに、オリジナルの銅器製品を企画・製造するようになります。
展開するブランドのひとつは、芸術性の高い香炉や茶道具などの伝統美を継承する「喜泉堂」、もうひとつは、現代のライフスタイルに合うようにスタイリッシュなデザインを取り入れたテーブルウェアのシリーズ「kisen」です。
2ブランドのラインナップは、2016年に完成した、有限会社四津川製作所本社内にあるショールームで見ることができ、伝統と革新の競演が楽しめます。
そして金屋町の石畳通り沿いには、本社と背中合わせのように建つアンテナショップ「たたら庵 喜泉」があります。千本格子の古民家を改装した風情ある店内には自社製品の一部が並び、手に取ったり購入することが可能です。