加賀伝統工芸村ゆのくにの森

多彩な伝統工芸品が受け継がれる石川県

　石川県には職人の手仕事でつくられる工芸品が多く、経済産業省が指定する伝統的工芸品は10種類にものぼります。色鮮やかな絵付けが特徴の「九谷焼」、自然物をモチーフにした絵柄が気品を醸しだす「加賀友禅」、繊細な装飾を施した堅牢かつ美しい漆器の「輪島塗」、木肌の風合いを活かしたろくろ挽きが特徴の「山中漆器」など、そのジャンルも多岐にわたっています。
　これほど伝統工芸が現代まで息づいているのは、17～19世紀にこの地方を治めた加賀（現在の石川県・富山県の一部）藩主前田家の文化政策、木・土・水など良質で豊富な資源、細かな作業を厭わない職人の忍耐強さや創意工夫の精神、そしてこの地方の人びとが持つ風雅を好む気質など、さまざまな要因が下地にあったからこそ。石川県という土地柄により多彩な工芸文化が保たれてきたのです。

体験で工芸の世界がより身近に

　粟津温泉の一角に位置する「ゆのくにの森」。築100年以上の茅葺の古民家を移築するなど、日本の原風景を再現した広大な敷地内には20近くの館が点在し、石川県のさまざまな伝統工芸に触れることができます。
　楽しみのひとつは工芸品などの手づくり体験。九谷焼の絵付けやろくろ回し、友禅の型染め、漆器の沈金や蒔絵、金箔貼り、紙漉きなど、50種類以上のメニューが用意されています。また、陶磁器の名品やガラス作家の作品の展示などは見ごたえ十分です。
　さらに輪島塗の館、九谷焼の館、ガラス工芸の館では、職人の実演の見学も可能で、石川県の伝統工芸を体感できます。

所在地: 石川県小松市粟津温泉ナ-3-3
営業時間: 9:00～16:30（GW、夏季は17:00まで）※最終受付は閉村の1時間前まで
休日: 無休（臨時休業あり）
料金: 入村料大人540円、中・高生440円、4歳以上330円、各種体験（受付は15:00まで）1,080円～
TEL: 0761-65-3456
アクセス: JR北陸本線「加賀温泉」駅から車で約20分
北陸自動車道片山津インターから車で約25分
HP: http://yunokuni.jp/mori/