参拝者をもてなした「戸隠そば」
そばの実を原料としたそば粉を用いた日本の麺料理「そば」。全国に産地がありますが、なかでも有名なのが長野県長野市戸隠地区でつくられ、信州そばの代表格として知られる「戸隠そば」です。
戸隠にそばをもたらしたのは、8~12世紀頃に戸隠山へ修行に来た修験者というのが通説で、当時は麺状ではなく、そば粉を水で溶いたものだったと考えられています。それが次第に形を変え、17~19世紀頃に、江戸(東京)の寛永寺の僧侶によって今の形に近い「そばきり」が伝えられると、戸隠山顕光寺への賓客に特別な一品として饗されるようになります。やがて宿坊で、全国からの参拝客にふるまうようになり、「戸隠そば」の名が広まっていきました。
戸隠そばのざるは、ひとつまみ分の量の束を5束ほど並べて出す「ぼっち盛り」が主流です。これは、切れていないものを見栄えよく丁寧に並べた、かつてのもてなし料理の名残ともいわれています。
歴史を学んだあとは自作のそばを
「戸隠そば博物館とんくるりん」は、全国的にも珍しいそばをテーマにしたミュージアムです。館内では昔のそばづくり道具や戸隠そばの歴史、昔の食べ方などを紹介しており、この地域にそば文化が根付いた背景を知ることができます。
また、この地域では、冷涼な気候と山間部特有の霧によって、香りの良い良質のそばが育ちます。そば打ち体験コーナーでは、この現地産のそば粉を使って職人が打ち方を丁寧に教えてくれ、自分で打ったそばをすぐに味わえます。
戸隠そば博物館とんくるりん
- 所在地
- 長野県長野市戸隠3018
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 休日
- 第3水曜、12月~4月上旬は冬季休業
- 料金
- 博物館入館料大人200円、中学生以下150円、団体割引(30名以上)あり、そば打ち体験1名3,240円~(1鉢4人前、15名以上要予約)
- TEL
- 026-254-3773
- アクセス
- 各線「長野」駅から戸隠中社行きアルピコバスで約50分、そば博物館前停下車、徒歩すぐ
上信越自動車道長野インターから車で約1時間10分 - HP
- http://www.togakushi-tq.jp/