外食産業のディスプレイを支える製品
岐阜県郡上八幡の地場産業のひとつが、食品サンプル生産です。食品サンプルとは、飲食店などのショーケースに展示されているメニューの見本品のことで、型に流し込んだ樹脂を焼成して固め、着色してつくります。
食品サンプル製造を日本で初めて事業化したのは、郡上八幡出身の岩崎瀧三です。1931年、独自に精巧なオムライスの模型を完成させ、その翌年に大阪で岩崎製作所を創業。全国に営業を展開して食品サンプルを広め、やがて外食産業になくてはならないアイテムとなりました。
1955年、故郷に貢献したいと郡上八幡に工場を設置します。以後、そこで技術を身に付けた職人たちが独立して、食品サンプルの製造会社が何社もでき、郡上八幡は食品サンプルの産地となっていきました。
「そっくり」よりも「美味しそう」を重視
岩崎瀧三が創業した会社の食品サンプルは、食品の焼き目、切り込み、艶など細かな部分まで丁寧に再現されています。しかし、本物そっくりを目指しているのではなく、あくまで「美味しさ」を伝えることが最大の目的。配置時の角度や照明も計算に入れ、ディスプレイしたときに最も美味しく見えるようにつくられています。
体験・展示施設「サンプルビレッジ いわさき」では、寿司、てんぷら、かき氷など、さまざまな食品サンプルづくりを体験できることが最大の魅力です。館内には、特別につくられた巨大ピザなどの変わりだねサンプルが並び、見学だけでも楽しめます。
サンプルビレッジ いわさき
- 所在地
- 岐阜県郡上市八幡町城南町250(本店)
- 営業時間
- 10:00~16:00(体験は15:00まで)
- 休日
- 火曜、10月第1木曜、2月第1土曜、年末年始
- 料金
- 入館無料、体験800円~(要予約)
- TEL
- 0575-65-3378
- アクセス
- 長良川鉄道「郡上八幡」駅から徒歩約5分
東海北陸自動車道郡上八幡インターから車で約3分 - HP
- http://www.iwasakimokei.com/