真珠養殖に世界で初成功
三重県志摩地方は、古くから天然真珠の産地として知られていました。しかし19世紀の後半、天然真珠をつくるアコヤ貝が濫獲で絶滅寸前になります。これに危機感を抱いた三重県鳥羽市出身の商人・御木本幸吉がアコヤ貝を育成する事業に乗り出し、次いで真珠養殖の実験に着手。3年間の試行錯誤の末、1893年に世界で初めて成功しました。
幸吉はその後も研究を重ね、また同時期に登場したほかの養殖家らの成果もあって技術が確立され、1928年には特許の分散化により志摩地方一帯で真珠養殖が盛んになります。
幸吉は「世界中の女性を真珠で飾りたい」との思いで東京・銀座に真珠専門店を開き、国内外に真珠の魅力を発信するとともに、粗悪品の排除を徹底するなど養殖真珠の価値を高めることに尽力しました。
昔ながらの磯着で海女が実演
幸吉が初めて真珠養殖に成功した島が「ミキモト真珠島」です。1939年に幸吉の強い思いから一般公開を始め、1951年に「観光・産業・教育」が一体化した施設として再興しました。
島内には、真珠のできる仕組みや養殖技術の紹介と、ミキモトのコレクションや真珠のアンティークジュエリーなどの名品を展示する「真珠博物館」、幸吉の波瀾に富んだ生涯と業績を伝える「御木本幸吉記念館」などがあり、人と真珠の関わりを詳しく学ぶことができます。さらに、かつて養殖で活躍した伝統的なスタイルの海女の実演や、パールジュエリーが買えるショップ、レストランなどもあり一日中楽しめます。
ミキモト真珠島
- 所在地
- 三重県鳥羽市鳥羽1-7-1
- 営業時間
- 8:30~17:30(季節により変動あり)
- 休日
- 12月第2火曜より3日間
- 料金
- 入場料大人1,500円、小・中学生750円、団体割引(20名以上)あり
- TEL
- 0599-25-2028
- アクセス
- JR参宮線・近鉄鳥羽線・志摩線「鳥羽」駅から徒歩約5分
伊勢二見鳥羽有料道路鳥羽インターから車で約10分 - HP
- https://www.mikimoto-pearl-island.jp/