日本最大の銅器生産のまち、高岡
富山県高岡市での銅器生産は1611年、加賀(現在の石川県・富山県の一部)藩主の前田利長が、高岡城のまちを開いた2年後に産業振興のため7名の鋳物職人を城下に住まわせて、生産を奨励したのが始まりです。初期には鍋・釜などの日用品や農機具が主流でしたが、やがて仏具が盛んになり、19世紀後半以降は茶道具や置物など美術工芸品へと幅を広げていきました。現在は、梵鐘やブロンズ像などの大物から花瓶、茶器、置物などが生産され、全国シェアの9割を高岡産が占めています。
銅器製品は、溶かした金属を型に流し込んで成型する「鋳造」によりつくられており、高岡では製品の種類や大きさに応じて主に4種類の鋳造技法が使われています。また、金属の表面に彫りを入れさまざまな模様を付ける「彫金」の技法も受け継がれています。
伝統技術と革新で鋳造の新たな可能性を切り拓く
1916年に仏具を中心とした銅器の製造元として創業した「株式会社 能作」。砂のにおいや溶解した金属の熱が感じられる工場では、先人により培われてきた生型鋳造法により、職人が一点一点手づくりで製作をしている様子を見ることができます。
近年では、長年培ってきた鋳造技術を活かし、錫を原料にした現代的なデザインの製品も手掛けています。なかでも軟らかい純度100%の錫でつくられた自在に曲げられるカゴは能作の代表作品です。
2017年4月末に移転する新社屋の工房では、鋳物の製作体験ができ、併設のカフェレストランでは、実際に錫の器で食事を楽しむことができます。
株式会社 能作
- 所在地
- 富山県高岡市戸出栄町46-1
(2017年4月末より富山県高岡市オフィスパーク8-1に本社工場移転予定) - 営業時間
- 工場見学/9:30~17:00
工房・ショップ・カフェ/10:00~19:00 - 休日
- 工場見学/日曜、祝日(土曜はカレンダーにより休日あり)
工房・ショップ・カフェ/年末年始 - 料金
- 入館無料、工場見学無料(要予約)、鋳造体験は有料(要予約)
- TEL
- 0766-63-5080(代表)
- アクセス
- 北陸新幹線・JR城端線「新高岡」駅から車で約15分
北陸自動車道高岡砺波スマートインターから車で約5分 - HP
- http://www.nousaku.co.jp