700年の伝統を受け継ぐ打刃物工房
福井県越前市の武生地区で生産されている「越前打刃物」は、1337年、京の刀匠・千代鶴国安が刀を鍛えるのに適した水を求めてこの地にやって来た際、刀剣製作のかたわら農民のために鎌を製作したことが始まりとされています。その後、技法を受け継いだ土地の人たちによって、鎌や鉈等の農具用打刃物が盛んに生産されるようになりました。それはやがて行商人によって全国に広まり、1874年には全国鎌生産量1位の27.5%を生産するまでになります。
時代のニーズに応じて、包丁や苅込鋏などの園芸用品へも製品の幅が広がり、1979年には刃物類で初めて国の伝統的工芸品に指定されました。
「タケフナイフビレッジ」が目指すのは、越前打刃物の伝統技法を守りつつ、デザイン性にも優れた現代的な刃物づくり。そして今、世界に誇る刃物ブランドに成長中です。
越前打刃物の伝統技法を間近で見学
越前打刃物は、熱した鋼をハンマーで打ち込んで鍛えるという手仕事でつくられています。地鉄と鋼を鍛接し、全体を菱形に叩いて延ばす「廻し鋼着け」という伝統技法が、軽さ、耐久性、切れ味に優れた製品を生み出すのです。
「タケフナイフビレッジ」館内にある共同工房では、所属する7名の伝統工芸士による包丁の製造工程を見学デッキより見ることができるほか、体験工房ではペーパーナイフ教室や包丁の研ぎ方教室など7種のプログラムが用意されています。特に毎年1月1日午前0時に、烏帽子に白装束姿の職人たちが新年の無事を祈願して行う古式鍛錬の「初打ち」は見ものです。
タケフナイフビレッジ
- 所在地
- 福井県越前市余川町22−91
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 休日
- 1/1~1/3
- 料金
- 入館無料、体験600円~(7日前までに要予約)
- TEL
- 0778-27-7120
- アクセス
- JR北陸本線「武生」駅から車で約15分
北陸自動車道武生インターから車で約10分 - HP
- http://www.takefu-knifevillage.jp/