数世紀守り抜いた広大な天然林
山々に包まれ、古くから森林資源が豊かな長野県木曽地方。17～19世紀の半ばにかけて森林への一般人の立ち入りを厳しく制限し、ヒノキ・アスナロ・コウヤマキ・ネズコ・サワラの「木曽五木」の伐採を禁じるなどの保護政策を実施していました。おかげで現在も天然林が多く残り、とりわけ木曽ヒノキは、良質の天然木材として重宝されています。
伐採した木材は、かつては川に流すという方法で運搬していましたが、1910年代から木曽地方一帯で森林鉄道の敷設、運行が始まると、鉄道が木材輸送の主役になります。最盛期には500kmを超える軌道となり、山間部の住民にとっても大切な足でした。その後、トラック輸送に切り替わり、1975年に廃止されるまでは、国内最後の森林鉄道として現役で運行されていました。
林業を支えた森林鉄道を体感
「赤沢森林鉄道記念館」は、森林鉄道の起点にあります。当時活躍したアメリカ製ボールドウィン蒸気機関車の1号機を始め、貴賓車、理髪車、モーターカーなどが見学できるほか、現役時代の写真も展示されています。また、運がよければ運行している機関車の整備を間近に見られます。
廃止された鉄道路線の一部が復活されており、当時の車両で運行している赤沢森林鉄道に体験乗車することも可能です。日本三大美林のひとつに数えられる「赤沢自然休養林」のなかを季節を感じながら走ることができます。
赤沢森林鉄道記念館
- 所在地
- 長野県木曽郡上松町小川入国有林内 赤沢自然休養林
- 営業時間
- 9:00～16:00
- 休日
- 荒天日、11月～4月は冬季休業
- 料金
- 資料館入館無料、℗普通車600円、赤沢森林鉄道乗車体験大人800円、4歳～小学生500円、団体割引（15名以上）あり
- TEL
- 0264-52-1133
- アクセス
- JR中央本線「上松」駅からバス赤沢線で約30分、赤沢自然休養林停下車、徒歩すぐ
中央自動車道中津川インターまたは伊那インターから車で約1時間30分 - HP
- http://www.avis.ne.jp/~hinoki/01akasawa2.html
