刀鍛冶のまちから刃物の一大産地へ
岐阜県関市は、多くの刃物メーカーが集積する日本の代表的刃物産地です。そのルーツは、13世紀に九州からこの地に移り住んだ元重という刀鍛冶によります。焼刃土や炉に使う松炭などの良質な原料や、刀の焼き入れに欠かせない水が豊富なこの地に技術がもたらされたことで、やがて各地から多くの刀鍛冶が集まる刀剣の一大産地となりました。
関の刃物は「折れず、曲がらず、よく切れる」といわれ、とりわけ三本杉の刃文で知られる「関の孫六」こと二代目兼元が手掛けた刀は、その切れ味の素晴らしさから、武将たちがこぞって愛用しました。
世の中が平和になり刀剣需要が減ると、包丁やカミソリ、ハサミなどの家庭用刃物や、農業用刃物の生産へと転じます。1888年には、関で国産初のポケットナイフが製作されました。現在では、デザインも洗練されたさまざまな品種の刃物が関市一帯でつくられています。
迫力ある古式日本刀鍛錬
「関鍛冶伝承館」では、刀鍛冶の歴史や技法を映像や展示で詳しく紹介しています。機能美と研ぎ澄まされた刀文で美術的価値の高い日本刀や刀装具、現代のハサミや包丁、カスタムナイフといった刃物製品も多数展示されており、700年を超える関の刃物の歩みを今に伝えています。
また、刀匠が昔ながらの技法で刀を鍛える「古式日本刀鍛錬」を毎月1回(1月は1月2日、10月のみ刃物まつりの2日間)実施。火花が散る迫力ある光景を間近に見ることができ、刀匠による材料や道具の解説もあります。
関鍛冶伝承館
- 所在地
- 岐阜県関市南春日町9-1
- 営業時間
- 9:00~16:30(最終入館は16:00)
- 休日
- 火曜、祝日の翌日(いずれも休日を除く)
- 料金
- 大人200円、小・中学生100円、団体割引(20名以上)あり
※2017年4月より、大人300円、高校生200円、小・中学生100円、団体割引(20名以上)あり - TEL
- 0575-23-3825
- アクセス
- 長良川鉄道「刃物会館前」駅から徒歩約5分
東海北陸自動車道関インターから車で約10分 - HP
- http://www.city.seki.lg.jp/kanko/0000001558.html