今は酒器として親しまれる米の計量器
岐阜県大垣市は木枡の生産量が全国シェアの80%を占める日本最大の産地です。枡は、米の計量器として、古くから日本人の生活に欠かせない道具でした。近年は日常生活のなかで、枡を用いて米を量ることはほとんどありませんが、日本酒を注ぐ酒器として宴席などで親しまれ、また「枡(ます)」という読み方が「増す」に通じることから、祝い事で贈られる縁起物としても人気です。
ルーツをたどると、かつては木曽ヒノキの集散地だった名古屋が枡の産地でした。1800年代後半頃、愛知県名古屋市の奉公先から大垣に戻った枡職人によって枡づくりが始められ、次第に大垣でも生産が広まります。名古屋が戦災に遭って以降は産地の中心が大垣に移り、最盛期には大垣だけで11社の枡工場がありました。
手触りと口あたりに気を配る
大垣の枡生産の一翼を担う「枡工房ますや」は1950年の創業です。枡づくりは、原料であるヒノキをしっかり乾燥させ、側板と底板用にカットしてから溝(ほぞ)を彫り、糊付けして機械や手作業でしっかり締め込みながら組み立てていきます。その後、滑らかな手触りとやさしい口あたりになるよう、職人が一つひとつ丁寧に角部分の面取りを行います。工場見学を申し込めば、これら職人の仕事を間近で見ることができるほか、枡づくり体験も可能です。
また工房に隣接するアンテナショップでは、さまざまな図柄・形の枡製品を買うことができ、海外からもおしゃれ雑貨として注目されています。
枡工房ますや
- 所在地
- 岐阜県大垣市西外側町2-8
- 営業時間
- ショップ/9:00~18:00(土・日曜は17:00まで)
体験/平日9:00~16:00(12:00~13:00を除く)、土・日曜9:00~12:00
工場見学/平日9:00~16:00(10:00、15:00からそれぞれ10分間休憩、12:00~13:00昼休憩)
※11月~2月の受付は要相談 - 休日
- 年末年始、お盆
- 料金
- 入館・工場見学無料、枡づくり体験教室800円(2名以上、10日前までに要予約)
- TEL
- 0584-78-5468
- アクセス
- 各線「大垣」駅から徒歩約15分
名神高速道路大垣インターから車で約15分 - HP
- http://www.masukoubou.jp/