21月の都千曲~姨捨の棚田がつくる摩訶不思議な月景色「田毎の月」~

  • 田毎の月(千曲市)

日本人の美意識を表す「月見」。中でも、歴史的に文学や絵画の題材となってきた「姨捨山に照る月」、「田毎の月」で知られる長野県千曲市一帯は、日本を代表する月見の名所です。姨捨は、地名の響きから、棄老物語を語り伝えてきました。それは、月見にちなむ文芸への遊び心を鼓舞する一方、棚田での耕作や伝統行事を通じて古老の知恵と地域の絆を大切にする教えを育んできました。
すべての棚田に映る月影を1枚の浮世絵に表した歌川広重の摩訶不思議な「田毎の月」。そんな「古来の月見」や、「月の都 千曲」が奏でる「新しい月見」に出かけましょう。

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長野県千曲市のおすすめ

姨捨の棚田

斜面全面に約1,500枚もの棚田が広がっています。水田が拓かれたのは、ため池が造られ、農業用水が確保された江戸時代の初めのこと。5月下旬、田植えの前後に水が張られた大小さまざまな棚田に月が映る光景は、「田毎の月」と呼ばれています。浮世絵師歌川広重は、すべての水田に月が映る摩訶不思議な情景を浮世絵に描き、「田毎の月」のイメージが広く人びとに広まりました。一目ですべての棚田に映る月が見えることはありませんが、畔道を歩きながら目を移せば次つぎに田ごとに映った月影を見ることができます。

武水別神社

武水別神社は、八幡宮とも呼ばれています。巨木に囲まれた境内は、まさに「鎮守の森」です。その歴史は古く、戦国時代に越後の武将上杉謙信が川中島合戦の戦勝祈願の願文を捧げています。神社周辺には広大な戦国時代から続く神官の屋敷である松田館や、明治時代に廃寺となった神宮寺跡とその末寺のたたずまいが良く残り、神仏習合であった神社の姿を今に伝えています。

冠着山

標高は1,252mです。遠くからでもわかるその姿は、地域のランドマークとなっています。古くは姨捨山と呼ばれ、「更級や姨捨山に照る月」と和歌に詠まれた都人の憧れの月の名所でした。江戸時代、山頂に冠着神社(月読尊)が祀られています。7月の夜にはヒメボタルが乱舞し、月読尊の化身とも思えるような情景が広がります。

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