10荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~

  • 昆布の手すき加工技術(敦賀市)
  • 河野北前船主通り(南越前町)
  • 旧岸名家(坂井市)
  • 旧古河屋別邸(小浜市)

日本海沿岸には、山を風景の一部に取り込む港町が点々とみられます。そこには、港に通じる小路が随所に走り、通りには広大な商家や豪壮な船主屋敷が建っています。また、社寺には奉納された船の絵馬や模型が残り、京など遠方に起源がある祭礼が行われ、節回しの似た民謡が唄われています。
これらの港町は、荒波を越え、動く総合商社として巨万の富を生み、各地に繁栄をもたらした北前船の寄港地・船主集落で、時を重ねて彩られた異空間として今も人々を惹きつけてやみません。

お問い合わせ
敦賀市観光振興課
電話番号
0770-22-8128
FAX番号
0770-22-8184
関連サイト
北前船 日本遺産認定WEBサイト
お問い合わせ
南越前町観光まちづくり課
電話番号
0778-47-8002
FAX番号
0778-47-3261
関連サイト
北前船 日本遺産認定WEBサイト
お問い合わせ
坂井市観光産業課
電話番号
0776-50-3152
FAX番号
0776-68-0440
関連サイト
坂井市公式ホームページ
お問い合わせ
小浜市役所文化課
電話番号
0770-53-1111(代)
FAX番号
0770-52-3223
関連サイト
北前船 日本遺産認定WEBサイト

福井県敦賀市のおすすめ

昆布の一大集荷地 敦賀

敦賀では北前船を通じて、昆布やニシンなど北海道からの荷物が飛躍的に増えました。昆布の一大集荷地となった敦賀には、多くの手すきおぼろ昆布職人が集まり、「昆布の手すき加工技術」が発達しました。その結果、おぼろ昆布の一大産地となり、現在でもおぼろ昆布の全国シェアが80%以上を超えるなど、昆布加工品は敦賀を代表する特産品となっています。
他にも、敦賀湊に出入りする北前船の目印となった「洲崎の高燈籠」や、蝦夷地から搬送されたニシンを収納した「鰊蔵」など、北前船の遺構がいくつも残っています。

  • 洲崎の高燈籠
  • 鰊蔵
  • 疋田舟川

福井県南越前町のおすすめ

南越前町河野地区

敦賀湾入口の側面に位置する河野地区は、日本海有数の北前船主を輩出した船主集落。日本海五大船主に数えられた右近家の邸宅をはじめ、国指定重要文化財中村家住宅など、当時の繁栄を偲ばせる建造物が残されており、200メートルほどの小路は、河野北前船主通りと呼ばれています。右近家の邸宅は、北前船をテーマとした資料館「北前船主の館・右近家」として活用しており、右近家に残された北前船の貴重な資料から、当時の暮らしの面影を垣間見ることができます。
また、「河野北前船主通り案内の会」は、右近家の邸宅や国の登録有形文化財の西洋館、河野北前船主通りを案内しています。
河野北前船主通りの入口部分にある「観光案内所どっときたまえ」は、大正時代はじめに11代当主夫妻の新居として築いた建物を改修してつくられた、観光案内所兼休憩所です。施設内では、月に2回ほど「炊の会」が開かれており、地元の旬の食材を活かした料理が味わえます。

  • 右近家
  • 西洋館
  • 中村家

福井県坂井市のおすすめ

三国湊

三国湊は九頭竜川の河口に位置し、多くの河川が合流するため、古くから河川の舟運を利用した物資の輸送が盛んでした。また、日本海にも面しており、越前地域の物資を河川で輸送し、それらの物資を集積して日本海から他地域を結ぶ物流の拠点としても繁栄しました。河川の舟運によって米やその他の物資が集散する三国湊は、北前船の寄港地としてさらに発展しました。

旧岸名家住宅

岸名家は材木商を営んでいた商家の一つで、その住宅が今も残り「旧岸名家住宅」として公開されています。内部は、材木が行き来した入口から建物奥まで続く細長い通路や水琴窟があります。

三国祭

三國神社例大祭である三国祭は県指定文化財で毎年5月に奉納されます。山車と呼ばれる屋台の上には人形が載り、町内を練り歩く姿は圧巻です。祭りが執り行われる三國神社は、普段は大きくそびえ建つ随身門が来訪者を出迎えてくれます。

三国港(旧阪井港)突堤

三国湊は上流から運ばれる砂が堆積し水深が浅くなることで、たびたび船の出入りがしにくい状況でした。それを改善するために地元の豪商らが河川改修を県等に嘆願し、東尋坊から切り出した岩石等を使用しながら、明治15年(1882)にようやく地元民の永年の命題であった突堤が建設されました。現在も突堤はその機能を果たしており、三国港(旧阪井港)突堤という名称で国指定文化財となっています。

  • 三國神社随身門
  • 旧岸名家住宅
  • 三国港(旧阪井港)突堤

福井県小浜市のおすすめ

古い町並み

古くから海と都をつなぎ日本を代表する港町として栄えてきた小浜は、江戸時代に入ると北前船寄港地としてさらに繁栄します。小浜湾に面した古い町並みには、当時の料亭建築や芝居小屋、船主別邸などが残り、船主が信仰した神社には船玉と呼ばれる北前船模型が数多く奉納されています。また、歴史を紐解く古文書も数多く残存しており、北前船で財をなした木綿屋の文書からは、将軍家へ献上する「召しの昆布」が独占的に製造されていたことが見てとれます。

豊かな海の幸を愉しめる食のまち

若狭小浜は古くから京都とつながる食のまち。港町として栄えた風情ある町並みの中で、豊かな海の幸を愉しむことができます。北前船で財をなした船主や船乗りが心を癒した茶屋町の三丁町には、その繁栄を知ることができる旧料亭の町並みが広がり、ランチを愉しむことができる店舗が多くあります。また、三丁町を含む小浜西組の古い町並みに佇む八幡神社には、船主が奉納した精巧な船舶模型や、銅製の大灯篭が伝わっています。

伝統工芸・産業

北前船で運ばれた産物や技術により、港町・城下町として栄えた小浜には伝統産業も根付いています。一説に津軽塗の技法を取り入れたと伝わる若狭塗、北海道からもたらされた「めのう原石」を加工した工芸品である若狭めのう細工などがあります。また、小浜で焼かれた若狭瓦は今でも小樽の倉庫に葺かれています。これらの伝統工芸・産業は、御食国若狭おばま食文化館で各種の工芸体験として楽しむことができます。港町の中心には、北前船船主の娯楽の場となった芝居小屋「旭座」があり、まち歩き観光の拠点となっています。

  • 料亭「蓬嶋楼」
  • 八幡神社の「船玉」
  • 芝居小屋「旭座」