10荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~

  • 旧北国街道の街並み(富山市)
  • 伏木神社例大祭(高岡市)

日本海沿岸には、山を風景の一部に取り込む港町が点々とみられます。そこには、港に通じる小路が随所に走り、通りには広大な商家や豪壮な船主屋敷が建っています。また、社寺には奉納された船の絵馬や模型が残り、京など遠方に起源がある祭礼が行われ、節回しの似た民謡が唄われています。
これらの港町は、荒波を越え、動く総合商社として巨万の富を生み、各地に繁栄をもたらした北前船の寄港地・船主集落で、時を重ねて彩られた異空間として今も人々を惹きつけてやみません。

お問い合わせ
富山市商工労働部観光政策課
電話番号
076-443-2072
FAX番号
076-443-2184
関連サイト
北前船 日本遺産認定WEBサイト
お問い合わせ
高岡市市長政策部文化創造課
電話番号
0766-20-1255
FAX番号
0766-30-7299
関連サイト
高岡市公式ホームページ

富山県富山市のおすすめ

北前船の栄華が今に残る街「岩瀬」

富山市岩瀬地区では、現在も、北前船で巨万の富を得た北前船主が明治初期に建てた屋敷等が旧北国街道に面して建ち並んでおり、往時の栄華を感じながらまち歩きをすることができます。
まち歩きの際には、公開されています岩瀬五大家の1つだった「森家」の旧屋敷にお立ち寄りください。館長の名調子による、国指定重要文化財に指定されている贅を尽くした建物や岩瀬の栄華についての説明は一見の価値があります。
なお、岩瀬地区への移動手段は、富山駅北口からほど近い富岩運河環水公園からの「富岩水上ライン」(乗車時間60分)がお薦めです。路面電車「富山ライトレール」(乗車時間20分)の片道乗車券付チケットが人気です。
また、天然の生け簀と呼ばれる富山湾から四季を通じて獲れる新鮮な魚介類をはじめ、昆布を使った昆布締め、昆布蒲鉾、昆布巻き、おぼろ昆布など一人当たりの購入額が全国一を誇る富山市の昆布食文化も堪能することができます。

  • 北前船廻船問屋森家の内部
  • 富岩水上ライン
  • 昆布かまぼこ

富山県高岡市のおすすめ

高岡市伏木の北前船

高岡市伏木の北前船は、越中各地から集められた米を北海道や大阪まで運ぶとともに、各地で買積した商品を売りさばき、加賀藩に莫大な利益をもたらしました。鉄器製造が盛んな高岡で作られたニシン釜や塩釜などの鉄製品、香炉、花瓶、仏具などの銅製品も、北前船で全国に運ばれました。伏木北前船資料館として一般公開されている旧廻船問屋の秋元家には望楼が残っており、船を出入りする船を見ることができます。

全国トップの昆布消費額

富山の一世帯当たりの昆布消費額は長い間全国トップです。(総務省家計調査)これは北前船が北海道より大量の昆布を運んできたことに関係しており、以来、昆布を多用する食文化が根付きました。中でも、とろろ昆布をまぶしたおにぎりはまさにソウルフード。市内の多くのコンビニやスーパーで売られています。

伏木神社例大祭「けんかやま」

高岡市伏木にて毎年5月15日に行われる伏木神社例大祭は「けんかやま」と言われています。北前船寄港の海岸鎮護・海上安全祈願のため曳山を建造した起源をもつ行事です。地元の若連中が、勇壮な曳台を伏木の街中引き廻し、日本海に春が来たことを告げます。特に見所となるのは20時と22時に行われる「かっちゃ」。6台のやまがそれぞれ、別の町のやまと全力でぶつかり合い、お互いの見栄を切りあうという、荒々しくも神々しい、この祭りのクライマックスです。

  • 伏木北前船資料館
  • 昆布おにぎり
  • 雨晴海岸