「鳴竜」に会いに上田へ行こう!
長野県上田市にある妙見寺は、12世紀始めの鎌倉時代初頭に当時の領主が、日頃信仰していた大日如来と妙見尊を安置するために設けたもの。その後、15世紀に現在地に移されました。現在の妙見寺本堂は1467~1468年に改築されたものです。
妙見寺移転・本堂大改修の際、本堂外陣の大天井に竜の絵が組み込まれました。これは当時の日本画壇最大の画派といわれた狩野派の秀山信尹(しゅうざんのぶただ)の筆によるもので、畳10畳分の大きさがあります。上下2頭の竜が迫力ある筆致で描かれており、その竜の頭の下で手を打つと、「キルルルル〜」といった鳴き声のような音が聞こえることから「鳴竜」といわれます。さらに不思議なことには、竜の真下で手を打つ人だけに、その音が聞こえるとか。そんなミステリアスな竜鳴体験を、ここ信州上田で楽しんでみませんか。
真田氏の城下町を散策し歴史情緒にふれる。
妙見寺の鳴竜は、日本の東西南北四カ所にあった「日本四方鳴竜」の一つです。東は栃木県日光東照宮の本地堂、西は京都府の相国寺、北は青森県竜泉寺(焼失)、南は信濃妙見寺のものといわれます。妙見寺の鳴竜は「南鳴竜」と呼ばれ、県内外からも多くの観光客が訪れます。御朱印にも「鳴竜」の文字が力強く踊ります。
また、「鳴竜」の四方には中国の唐の時代から伝わる、後世の手本としたい孝行に優れた人物24人を取り上げた「孝行の手かがみ24孝」が繊細な筆致で描かれています。そちらにもぜひ目を向けてみてください。
妙見寺から車で約40分。上田の市街地には、戦国武将・真田氏が築城した上田城の情緒ある町並みが広がり、散策がてら楽しめる観光スポットが点在しています。真田氏ゆかりの史跡や旧跡、神社仏閣などのほか、古い町並みが残るかつての宿場町やお土産処、地元グルメなどの話題が満載です。