修行僧の姿に心打たれる、静寂の霊域。
大本山永平寺は1244年、道元禅師が45歳の時に波多野義重公の願いによって、越前(現福井県)に大仏寺を建立し、その2年後に永平寺と改めたことが始まりです。「日本曹洞宗」の第一道場であり、出家参禅の道場として長い歴史を歩んできました。
これまで多くの修行僧が、道元禅師の定められた厳しい作法によって修行を続けてきました。それは早朝の起床から坐禅、勤行、行鉢など日夜行われるもので、現在も当時のまま、約150人の修行僧がひたむきに修行生活に臨んでいます。
境内は約10万坪(33万㎡)の広さを持ち、樹齢700年ともいわれるスギの森のなかにあります。その静寂なたたずまいは、修行僧ならずとも心が洗われるような空間です。全国各地から参拝に訪れる人は絶えず、数多くの信者のための施設が永平寺や門前町に整っています。
喧騒を忘れ心安らぐ、坐禅・写経体験。
永平寺の70を超える諸堂のなかで、中心となる7つの堂宇「山門、仏殿、法堂、僧堂、庫院、浴室、東司」は七堂伽藍と呼ばれています。これらの配置は坐禅している姿を模しているともいわれ、深山幽谷という言葉がぴったりの地で、禅の修行が行われています。永平寺では、参拝に訪れた人が坐禅や写経をすることができます。日頃の喧騒を離れ、心が安らぐひとときです。修行僧が行うような日課を永平寺に宿泊して行う参禅体験(要予約)もあります。また般若心経266文字の一文字を写経する「一文字写経」もおすすめです。一人一文字入魂!で266文字が集まると完成し、永平寺に納経されます。門前町の飲食店では精進料理を出している店もあり要チェック。曹洞宗では食べることも修行の一つ。作法に則って音を立てずに食べることに挑戦してみましょう。