全国の山王神社の総本宮は、「山王さん」。
滋賀県大津市にある日吉大社。全国に約3,800あるとされる日吉・日枝(ひえ)・山王神社の総本宮として知られ、古くから通称として山王権現とも呼ばれ、今日でも「山王さん」の愛称で親しまれています。比叡山連峰の八王子山(牛尾山・381m)の麓に鎮座し、平安京遷都の折には、都の表鬼門(北東)にあたるということから、都の魔除けや災難除けを祈願する神社として参拝されました。
日吉大社から生まれた神道の信仰は「山王信仰」といわれ、全国に広がりを見せます。日吉大社では、古くは「山王三聖」といわれ、釈迦如来、薬師如来、阿弥陀如来がそれぞれ定められ定着していきました。やがて「山王七社」、さらに「山王二十一社」ともいわれ、摂社・末社が数多くあります。現在の日吉大社は、2つの本宮と5つの摂社を中心に構成されており、「日吉七社」または「山王七社」と呼ばれて、“厄除け“や方角による災いを除ける“方除け”に多くの参拝者が訪れます。
「まさる」くんに厄除け・方除け祈願!
日吉大社では、厄除け・方除けとして、大社のお使いである「神猿(まさる)」が欠かせません。もともと比叡山にはサルが多く生息していたといわれますが、いつの頃からか魔除けの象徴として見られるようになりました。「まさる」は「魔が去る」「勝る」「優る」に通じることから、縁起が良いと人気があります。西本宮楼門の屋根を見上げれば、四隅にサルの彫刻があるのがわかります。四隅それぞれにポーズの違うサルがいるので、ぜひ見上げてみて。
また一年を通して、厄除け・方除けの祈願で祈祷を行っています。厄年の厄払いに、家を新築する際や旅行前の安全祈願で方除けを、とさまざまな祈願による祈祷に多くの人が訪れます。
大宮川の渓流が流れる森にある日吉大社は、秋には壮大な社殿と赤く染まった葉の重なりが素晴らしく、紅葉スポットとして人気を集めています。