比叡山一帯に広がる、日本仏教の母山。
標高848mの比叡山全域を境内とする比叡山延暦寺。比叡山、叡山とも呼ばれます。平安時代に最澄によって開かれた総本山寺院です。1994年には世界文化遺産に登録されました。歌人としても有名な高僧慈円は、「世の中に山てふ山は多かれど、山とは比叡の御山(みやま)をぞいふ」と詠み、比叡山を日本一の山と崇めています。
延暦寺は、1,700ha(500万坪)ある境内に約150の堂宇が点在しています。境内のエリアを3つに分け、「東塔(とうどう)」「西塔(さいとう)」「横川(よかわ)」として三塔といい、それぞれに本堂があります。
なかでも「東塔」は延暦寺発祥の地。延暦寺の総本堂にあたる根本中堂(国宝)を中心として広がっています。本尊は薬師如来を祀ります。現在の根本中堂は、三代将軍徳川家光公の命を受け、1642年に竣工したもの。ご本尊の前には、1200年間灯り続けている「不滅の法灯」が安置されていて、今も変わらず厳かな時が流れています。
日頃の雑念を払う、宿坊での写経・坐禅体験。
比叡山では、日常の生活を離れての修行体験ができます。東塔の根本中堂の近くにある延暦寺の宿坊(延暦寺会館)で、坐禅や写経など、静かな時間を持ち自分を見つめるひとときを過ごしませんか。写経体験では、筆や墨、用紙など必要なものがすべて用意されているので、気軽に体験できます。経典を書き写す「写経」は、一字一句、仏様と見立てて書写していくもの。坐禅体験とともに、気持ちをリフレッシュできると人気があります。
また西塔にある居士林(こじりん)は、広く一般の人々に開放された修行道場です。坐禅・写経の体験は日帰りから、1,2泊の修行体験まで、本格的に体験できます。また居士林では、あらゆるものに感謝の念を持ち食べ物をいただく食事作法の仏教修行や、法話をうかがうことも修行。体験、研修の2コースがあり、体験者は年代性別を問わずおり、心落ち着く時間を過ごします。